上田市立美術館「和綴じ本づくり」ワークショップレポート-榛原(はいばら)の千代紙で自分だけの一冊を

10月12日(月・祝)、上田市のサントミューゼ・上田市立美術館で「榛原(はいばら)の千代紙で和綴じ本をつくろう」というワークショップが開催されました。

現在開催中の企画展「和紙がおりなす日本の美 HAIBARA Art&Design」の関連イベントで、江戸時代から続く伝統的な製本技術を体験できるというもの。

午前・午後の2部ともに定員に達し、参加者が抽選で決まるほどの人気だったそうです。

会場では、先生方の丁寧な指導のもと、参加者が思い思いに本づくりを楽しむ姿が見られました。和やかな雰囲気に包まれたワークショップの様子をレポートします。

目次

お気に入りの千代紙を選んで、いざ本づくり!

今回使用されたのは、東京・日本橋で220年以上続く老舗和紙舗「榛原(はいばら)」の千代紙。榛原は江戸時代から和紙を扱い、美しい図案の千代紙や和紙製品を数多く生み出してきたお店です。

今回のワークショップでは、そんな榛原の千代紙を表紙に使い、昔ながらの「四つ目綴じ」という方法で、自分だけの一冊を制作します。

講師を務めたのは、長野県伊那市に製本所を構える「美篶堂(みすずどう)」の代表取締役社長・上島明子さんと、一般社団法人プラネット・テラの寺嶋貴美子さん。

上島明子さん

1983年創業の美篶堂は、職人の手仕事を大切にしながら、オリジナルノートや文具の制作、製本のワークショップなどを手がけています。一方、プラネット・テラは音楽や映像、デザインなど幅広い分野で活動する団体。手製本の技術も持ち、オリジナルのノートや楽譜などの制作にも取り組んでいます。

右)寺嶋貴美子さん

今回は各テーブルにアシスタントも配置され、先生方が一人ひとりの作業を丁寧にサポート。初めての製本でも安心して楽しめる環境が整えられていました。

「意外と難しい!」でも、それが楽しい

ワークショップが始まると、参加者の皆さんはさっそく本づくりに挑戦。まずは20枚の和紙を一枚ずつ折るところからスタートします。一見簡単そうな作業ですが、紙の端をきれいにそろえたり、力を入れすぎずに折り目をつけたりと、意外と気を使うことがたくさんあります。先生が手際よく作業を進める様子を、参加者の皆さんも真剣な表情で見つめていました。

その後も、普段なかなか触れる機会のない道具を使いながら、少しずつ本の形に仕上げていきます。分からないところは先生やアシスタントの方に相談しながら、和気あいあいと手作りを楽しむ時間。先生方もとても気さくで、会場は終始和やかな雰囲気でした。目の前の作業に集中したり、周りの方と確かめ合ったり。大人も子どもも、それぞれのペースで本づくりに取り組んでいました。

少しずつ形になっていく楽しさ

今回のワークショップの面白さは、最初はただの紙だったものが、少しずつ一冊の本になっていくこと。和紙を折り、道具を使って形を整え、選んだ千代紙で表紙をつくる。一つひとつの作業は地道ですが、工程が進むにつれて、本の形が少しずつ見えてきます。

特に、千代紙を表紙に貼り付ける作業は印象的でした。柄のどの部分を見せるか、どの向きにするか。ちょっとした選び方で仕上がりの印象も変わります。自分の好みを反映できるのも、手作りならではの楽しさです。

気がつけば2時間。手作りの楽しさを再発見

先生方の優しい指導に助けられながら、夢中になって取り組んだ参加者の皆さん。2時間のワークショップは、あっという間に過ぎていきました。

今回印象的だったのは、難しい技術を学ぶというだけではなく、参加者が手作りの時間そのものを楽しんでいたこと。分からないところを教えてもらったり、少しずつ形になっていく様子を喜んだり。そんな何気ないやりとりも含めて、温かな雰囲気が広がっていました。普段は完成されたものを買うことが多い本やノートですが、自分でつくることで、また違った愛着が生まれるのかもしれません。

参加者のみなさんからはこんなコメントが寄せられました。(以下、一部抜粋)

「和紙や小さい紙、糸などを選ぶところから、とてもわくわくしていました。糸が絡まないように気をつけたので、見た目もよく、思ったままの形に出来上がって、とても嬉しかったです」(Hさん)

「初めて使う道具ばかりでしたが、丁寧に教えていただいたので、見本通りに作ることができました。和紙の柄がとても可愛くて大満足です」(Nさん)

「子どもが日本の文化を学ぶことができ、よかったです」(Sさん)

現在、上田市立美術館で開催されている「和紙がおりなす日本の美 HAIBARA Art&Design」では、榛原が手がけてきた美しい千代紙や、著名な作家たちとの協業によって生まれた作品などを紹介しています。

ワークショップで実際に和紙に触れた参加者にとっては、展覧会もまた違った視点で楽しめそうです。

大人も子どもも夢中になれる、楽しいワークショップとなりました。


ワークショップ概要

イベント名:榛原の千代紙で和綴じ本をつくろう

開催日:2026年10月12日(月・祝)

会場:サントミューゼ 上田市立美術館(長野県上田市)

関連企画展:和紙がおりなす日本の美 HAIBARA Art&Design

講師:上島明子さん(美篶堂)、寺嶋貴美子さん(一般社団法人プラネット・テラ)

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