信州でバナナの栽培です。長野県松本市の農家が2022年から栽培に挑戦し、今年初めて収穫を迎えました。なぜ、寒い松本で栽培を始めたのでしょうか?
バナナの収穫。
南国を思わせる雰囲気ですがここは松本市の農園です。
立派に実ったバナナ。農家の小林政雄さんは初の収穫です。
ファームヤマコ・小林政雄さん:
「収穫に何とかたどり着いたもんで、やっとこれでホッとしたという感じですね」
日本で消費されるバナナはほとんどフィリピンやエクアドルなど赤道近くの国から輸入されています。
これまで米や大豆を栽培してきた小林さん。なぜ、寒い松本でバナナづくりに挑戦しようと思ったのでしょうか?
ファームヤマコ・小林政雄さん:
「天候に左右されなくて、安定した収益を得られるようなことを考えていたのですけど、これだけバナナが食べられていて、ほとんどが輸入。そこに事業性があるのではないかと」
2022年5月におよそ70本の苗木を植え栽培を始めましたが、実りませんでした。
その後、枯れた松のチップや腐葉土で土壌の栄養分を補い、冬場は10度以下にならないよう温度管理を徹底し、湿度も保ちました。
試行錯誤の結果、今年は順調に生育しました。
ファームヤマコ・小林政雄さん:
「花が咲いたときが一番、『あぁ、花が咲いた』ってのが一番の一安心。それから実がなってきたというのが一安心」
収穫したバナナは15度に保たれた冷蔵庫で5日間ほど熟成させてから出荷します。
特別に、熟成途中のバナナを試食させてもらいました。
(記者リポート)
「甘い!弾力がある食感で、すごく甘いですが口には残らず、すっーと引いていく感じで、何回でもこの甘さを楽しめます」
ファームヤマコ・小林政雄さん:
「食感がムチっとした感じで、皆さんに受け入れられるのではないかなと」
今年は1万本の実が採れる見込みで、地域の直売所やインターネットで販売していく予定です。
すでに県内外の個人や企業からも予約があるということです。
小林さんは今後、栽培がうまくいけばバナナを主力にしたいと考えています。
ファームヤマコ・小林政雄さん:
「これだけの規模だとまだ(畑が)小さいものですから、ある程度の面積を増やして年間通して出荷できるような形にしていければ」