NBS初の自社制作ドラマ『LOVE SWITCH（ラブ スイッチ)』いよいよ後半！ オール信州ロケの〝恋リア風ドラマ〟 制作陣・ナビゲーターが語る見どころと楽しみ方

NBS長野放送初の自社制作ドラマ『LOVE SWITCH』(11月3日～・月曜25:15～25:45）。信州の美しい風景とともに展開する30分×全8話の〝恋愛リアリティーショー風ドラマ〟です。TVerの再生回数（第1話）がNBS配信の番組としては『過去最高』となるなど、県内外の多く人に見られています。

物語はいよいよ後半に。そこで監督・脚本・映像プロデューサーの大日方優太さん（スタジオカルテット）、総合プロデューサー・脚本／台本・スチール撮影の大島琳御さん、番組のナビゲーターを務めるファッションモデル・俳優の中澤 瞳さん（上田市出身）に、改めてドラマの見どころや魅力などを聞きました。

〝恋リア風ドラマ〟　番組のロゴがヒントに⁉

ドラマは、結婚を願う都会育ちの女性4人と長野県在住の男性3人の恋の行方を追う内容。でも、そこにはペアリングを変える「LOVE SWITCH」という特別なアイテムが…。恋の駆け引き、それぞれの感情が交錯します。舞台は野尻湖や白馬など。信州の美しい風景がドラマを引き立てます。

聞き手: 〝恋愛リア風〟ということで、とてもユニークなドラマになっていますね。

大島琳御さん: 恋愛リアリティーショーという設定を取りながら、実際はドラマ。視聴者の方にとっては、リアリティーショーを見ているのか、ドラマを見ているのか分からなくなるような、不思議な感覚を味わえるはずです。ただ、制作当初は「ドラマとしての魅力をどう成立させるか」が課題でした。もともとタイトルの『LOVE SWITCH』は「恋のスイッチが入る」という意味でしたが、それだけではドラマ性が弱いと感じたんです。そこで「交換する・交代する」という意味の“スイッチ”も取り入れ、恋愛リアリティーショーの“ゲーム的な要素”を加える構成にしました。

大日方優太さん：『LOVE SWITCH』の番組ロゴは、Sの文字を「スイッチ」として表現した象徴的なデザインになっています。実は、このSを図形として見てみると「LOVE WITCH（ラブウィッチ）」とも読めるんです。「WITCH（ウィッチ）」は日本語で言うと“魔女”ですよね。そこから、女性が持つしたたかさや、恋愛における“魔女的な魅力”を物語に織り交ぜながら、男女は果たして結ばれるのか── という方向性になりました。

大島さん：初期のデザインでは、Sが図形として強く出すぎていたため、タイトルそのものを読み間違えてしまう問題があり、改善しようという話になりました。ところがそのとき、「いや、待てよ」と思ったんです。むしろ“魔女（WITCH）”として読めてしまう点こそ面白いのではないか、と。魔女には怖い魔女もいれば、可愛らしい魔女もいて、実に多面的です。そして、一人の人間の中にも、さまざまな側面が共存しています。そこから着想を得て、ドラマにも“魔女的な二面性”や“多面的なキャラクター性”を取り入れていく方向になりました。
ロゴ自体も調整し、Sが魔女のシルエットに変わるような遊び心のある仕掛けを加えています。結果として、ロゴがドラマ全体の方向性を決める“起点”になったと言えるかもしれません。

県民も再発見　信州の魅力を発信するドラマ

聞き手: ロケ地は全て県内。信州の魅力も発信していくそうですね。

大日方さん: 信州の自然の豊かさは全国有数、人気の場所がいくつもあります。そうした名所をデートで出演者が巡っていきます。信濃町、野尻湖、白馬村、戸倉上山田温泉・姨捨・小布施などの長野県内の素敵な場所です。映画を見ているよう「映像美」でお届けしますので、県民の皆さんは「あ、あそこだ」となりつつも、「こんなに綺麗だったんだ」とか、「こんなにロマンチックな場所があるんだ」とか、新たな発見につながっていけばいいなと思っています。本編の中でももちろんロケ地として登場しますが、次回予告後のエンドクレジットシーンでその回毎に撮影させていただいたロケ地の映像を楽しんでいただけることも魅力の一つだと思っております。

大島さん: 通常、テレビで地域情報を発信するとなると、タレントさんや芸人さんが有名な観光地を訪れたり、その土地の名物を食べたりする構成が多いと思います。
『LOVE SWITCH』では、そうした地域の魅力を“恋愛ドラマ”の物語の中に織り込んでいきます。ドラマの中で描かれることで、場所そのものに「物語」や「感情」を重ねることができ、地元の皆さんにも新鮮に映ります。結果として、とてもユニークで、地域ならではの発信になると考えました。

ナビゲーターの中沢瞳さんは・・・

聞き手: 中澤さんは上田のご出身ですが、信州発のドラマはいかがですか。

中澤瞳さん: 野尻湖でオープニングの撮影に参加させていただきました。実は野尻湖に行ったのは初めてだったんですが、山奥に大きな湖があって、水も綺麗で、信州の良さってこれだなと感じました。東京に住んでいると、自然が少なく、癒される場所も少ないんですけど、地元に帰ってくると安心感もあるし、自然に囲まれたり、綺麗な景色を見たりすると、マイナスイオンも感じられて、疲れが吹き飛ぶ感じ。やっぱり癒されました。そういう良さは、一回訪れてもらえば、すごい伝わると思いますし、若い人たちは〝恋リア〟が好きなので、ドラマを見てくれる人が増えたら、移住とか、遊びに来てくれる人も増えるんじゃないかなと。すごい期待度高いです。

聞き手: ナビゲーターとして参加することについてはいかがですか。

中澤さん：私も以前、恋愛リアリティーショーに出演していました。男女が集まって、その中に一人だけ恋愛をしない「狼」という役割の人がいて、それを見抜きながら、恋愛をしたり、絆を深めたりしていく内容でした。今回は〝恋リア風ドラマ〟ということで、「どんな感じになるんだろう」という興味がありました。しかも地元でということで、信州の良さをより多くの人に知ってもらえるきっかけにもなるし、すごくいい企画だなと思いました。

ドラマで地方創生？　番組の「可能性」

聞き手: 制作陣も信州ゆかりの方が多いと聞きました。地元を知っている人間だからこそ、本当の良さをドラマに反映できそうですね。

大日方さん: 制作に関しては全員、長野県出身やご縁がある人たちです。信州はポテンシャルをすごく秘めていると思うんです。ただ、これは悪口ではなくて、プロモーションの仕方がこれまで「ちょっと…」というのが自分の中にあって。一つのコンテンツの中で様々な用途でのプロモーションができればいいなということが、今回の番組制作のきっかけの一つでもあります。

東京からアクセスもいいので、最近、特に東信は移住者が増えてきています。仕事の方法もコロナ禍後、テレワークになって、パソコンがあれば仕事ができるような方も増えていると思います。都会ではなく、地方で子育てをしたいという方も。アクセスもいい、ロケーションもいい、空気も綺麗、水も美味しい。ドラマをきっかけに、一度、観光に来てもらって「いいところなんだな」と感じてもらえればと思います。

中澤さん: 私も今は東京で活動しているのですが、地元の人にも見てもらいたいし、私をきっかけに信州を知ってもらって、遊びに来てくれるファンの子とかもいるので、そうやって「橋渡し」ができたらいいなと思います。

聞き手: 今回のドラマは社会問題にも向き合うものだと伺いましたが。

大日方さん: 少子高齢化、地方の人口減少が進んでいます。ドラマの中で信州の良さを再発見してもらうことで、例えば結婚を前提としたお付き合いをイメージしてもらったり、高校生や大学生が県内企業に就職して生活していったりとか、地方が抱える問題にも向き合えるような番組になればと思っています。

大島さん: 「地方創生」を成功させるためには、いくつか欠かせない要素があります。ブランディングの視点で言えば、まず“発信すること”はもちろん大切です。ただそれ以上に重要なのが、そこに住む人たちの誇り、いわゆる「シビックプライド」をどう高めていくかという点です。今回の取り組みでは、自分たちが暮らしている場所が新しい映像の魅力として描かれ、視点を少し変えるだけで「こんなにすごいところなんだ」「こんなに美しい場所だったんだ」と気づけるような仕掛けを目指しています。地元の人たちが、自分たちの土地に改めて魅力を感じ、誇りを持てるようになる── そんな結果につながればと考えています。

そしてもう一つ重要なのが、「ストーリーテリング」です。地域情報を発信するときに、単に「名産はこれです」「景色がきれいなのはここです」と紹介するだけでは、今の若い世代には響きにくい。そこで、ドラマという形式を通じて、“物語性そのもの”を地域の魅力として埋め込むことができるのではないかと考えました。

これまでにあまり例のないアプローチではありますが、「シビックプライド」と「ストーリーテリング」。この2つのポイントに挑戦することこそが、今回の大きな狙いです。

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「恋のスイッチ」が入ったり、「恋のウイッチ」が現れたり…。番組ロゴは、まさにドラマのコンセプトを表すものだったんですね！見どころの一つになっている「映像美」には、信州の魅力再発見につなげたいという思いが込められていました。

「スイッチ」の使われ方と信州の美しい風景に注目して、ぜひ終盤のドラマをお楽しみください。