
山梨県を中心に長野県、静岡県に店舗を展開する総合スーパーマーケット「オギノ」。
今回は、茅野市にある「オギノ長峰店」にて、店長の渡邉さん、商品企画の小野さん、商品開発の福島さん、渡邊さん、広報の細川さんにお話しをお聞きしました。

地域特性を生かした売場づくり
創業は1841年(天保12年)、甲府市で錦糸問屋としてはじまり、1953年(昭和28年)に現在の法人として設立。2025年で設立73年を迎えました。
長野県への初出店は1998年(平成10年)、茅野市の「茅野ショッピングセンター」が1号店です。現在は茅野市、岡谷市、諏訪市に食品スーパーやショッピングセンター型店舗があり、安曇野、信濃大町、山形村では衣料専門店を展開しています。
「地域に寄り添う小売店を目指し、お客様に価値のある商品やサービスを提供するために日々努力しています」と細川さん。
今回私たちが伺ったのは、2024年5月にオープンした長峰店。
通路は広くゆったりと設計されており、落ち着いて買い物を楽しめる空間となっています。ベビーカーやカートでも移動しやすく、幅広い世代にとって快適な店舗づくりがされています。
「弊社では『FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)を導入しており、お客様の購買状況を分析し、お客様のニーズやライフスタイルに沿った商品提案を行っています。たとえば、「少量で良い」という方が多いエリアでは小分け商品を充実させたり、「品質重視」のお客様が多い店舗では高付加価値の商品を取りそろえたりと、地域ごとの特性を生かした商品展開をおこなっています」(店長・渡邉さん)

品質にこだわったオギノのプライベートブランド
オギノでは、プライベートブランド商品の開発にも積極的に取り組んでいます。2022年から「オギノセレクト」「オギノセレクトプレミアム」という2つのプライベートブランドを展開。
「かつてのプライベートブランドって“安くて、おいしくない”というイメージを持っていらっしゃる方が多かったと思うんです。でも、それではいけない、私たちは味にこだわりながら、価格面でも納得いただける商品づくりを心掛けています」と商品開発の福島さん。
日常使いできる「オギノセレクト」と、品質を追求した「オギノセレクトプレミアム」。どちらも“”おいしさ”にこだわり、価格以上の価値を感じていただけるクオリティを目指しています。
オギノのプライベートブランドづくりにおいて、重要な柱のひとつが「地元企業との連携」です。地域に根ざした企業に製造を依頼することで、地域の味や価値観を商品に反映させています。
「ハムやベーコンは信州ハムさんに作っていただいています」
素材の選定から製造まで一貫した品質管理を行う企業との協業により、日常使いに適した価格と、安心して選べる味わいを両立しています。

“地元らしさ”を形にする商品開発への思い
また、長野県産の生乳を使った牛乳やヨーグルトは、野辺山高原の限定生乳を使用するなど、プライベートブランド商品では、素材や味覚を生かした商品づくりを重視。「牛乳を飲まなかったお子さんが飲めたという声もいただいています。生乳100%のヨーグルトは、酸味が控えめでなめらかな口当たり。価格も200円を下回るよう工夫を重ね、よりお求めやすい商品づくりに努めています」
また、牛乳を生地に練り込んだあんドーナツやカステラなど、スイーツの商品開発にも力を入れています。
「高級スーパーではないからこそ、日常の中で“ちょっといい”を届けたい。地域の素材、地元企業との連携、そして消費者のニーズを反映しながら、暮らしに寄り添う商品づくりを行っています」(渡邊さん)
プライベートブランドは現在約300アイテムを展開。果汁を発酵させたスパークリング飲料の開発にも取り組んでいます。
「山梨県産の桃を使ったスパークリングに続き、信州りんごを使ったシードルを発売しています。長野県の方は特に地元愛が強いようで、信州って書いてあるだけで手に取っていただく方が多いと感じています」(店長・渡邉さん)

季節の果物を使った加工品など、今後も地域色の濃い商品づくりが進めていきたいと福島さん。
「山梨が母体ではありますが、静岡・長野ではまだまだ商品数も認知も十分とはいえません。だからこそ、地元の企業や素材を活かした商品開発をもっと広げていきたいです」
地元の味と地元の技術、そこにオギノの想いが重なって、日々の暮らしが少しずつ豊かになっていく――。新商品も続々開発中とのことなので、これからの展開にも期待が高まります。
■購入場所
オギノ茅野店、長峰店、岡谷店、諏訪店
■オギノ
https://www.ogino.co.jp/