
1598年(慶長3年)、長野県飯田市にて綿屋として創業。以来、時代に合わせて業態転換をおこない、現在では、日用品をはじめ、わたしたちの生活に欠かせないあらゆるものを販売するホームセンター、そしてホームセンターにスーパーが併設されたスーパーセンターを県内に21店舗展開しています。一カ所ですべてがそろう“ワンストップショッピング”として、多くの県民に支持されている綿半のなかで、今回はグループ企業のひとつである綿半パートナーズ株式会社に注目。プロダクトユニット農業・園芸セクションのリーダーを務める竹村さんに、しあわせバイ信州にまつわるお話を聞きました。

これぞ綿半イズム、利益は生産者に還元!
綿半パートナーズ株式会社はホームセンターに商品を納品する役割を担っており、以前からしあわせバイ信州運動のコンセプトにマッチした事業を展開していました。
「わたしの部署では生花を扱っているんですが、以前は、長野県産の草花をいったん東京や埼玉へ運び、そこからまた長野県へ運び流通をさせていたんです。長野県産の生花は豊富にあるのに、わざわざ県外へ出荷するのは不自然だと感じていました」。
いったん関東へ運ぶとなると鮮度が心配ですが、「その時間を計算して収穫していましたが、それでも鮮度は落ちてしまいますよね。そこで直接生産者さんとお取引することにしたんです。そうすることで物流の運賃コストの削減にもなりますが、まずは鮮度のいいものをお客さまへ提供できるようになりました」
綿半が長く愛されている理由のひとつだと思ったのが、竹村さんのこの言葉。
「浮いたコストは生産者さまに還元しました。当社の利益は変わりませんが、お客さまにはより鮮度の良い商品を提供でき、生産者さまにも喜んでいただけます。さらに、輸送を減らすことでCO2排出量の削減にもつながりました。」
生花や野菜などは規格外商品も積極的に買い取っているそうで、以前はこんなエピソードもあったそう。
「ある生花の生産者さんなんですが、切り花がたくさん咲いているのに、終わりかけなのでもう出荷しないというんです。市場へ持っていっても市場価格より安くなってしまうということで。まだきれいに咲いているので捨てるのはもったいない、それなら、私たちが収穫から販売まで行いますと買い取らせていただきました」
少しでも生産者の利益になればという思い、またそれだけでなく、「枯れてしまった草花もたくさんあるとお困りだったので、それも持ち帰りました」
トラック半分ほどの量のゴミを持ち帰り、また収穫してきた花に関しても商品として販売できたのはわずかだったそうで…、「圧倒的に赤字でしたが、会社には『いいことしましたね』と評価してもらいました」

生産者の“お困りごと”に寄り添い解決法を探る
生産者さんのお困りごとを聞いて改善するという取り組みとしてもうひとつ。綿半で販売している人気商品に市田柿があります。
「飯田地域一帯、収穫の時期は重なるので人手がなかなか集まらない、生産者さまの高齢化も進み、作業もままならないなどの課題がありました。そこでわたちたちが収穫のお手伝いをすることにしたんです」
大手企業が収穫のお手伝いをしてくれるなんて!しかも1回きりではなく、そのシーズンはシフトを組んで社員で対応したそうです。
「25万個を収穫しないといけないので大変でしたね。良い経験をさせていただいたおかげで、生産者さまの苦労や今後の課題が見えてきました」

良いものを適正価格で販売し生産者の生活を守る
綿半パートナーズでは、仕入れたものを自分たちで加工して出荷までを行います。
「市田柿も生花もそうですが、できるだけ適正価格で販売し、長野県内での消費を拡大していきたいと考えています。生産者さま同志だと、どうしても価格競争になってしまう部分があるんですが、すごく良いものなので、自信をもって価格設定をしていただきたいと思っています」
手間がかかりおいしいものを安く提供するのは決していいことではないと、竹村さんは話します。「当社で販売する際も、生産者さまの労力を考慮し、適正価格を設定しています」
お得な商品が多いイメージの綿半ですが、「価値ある商品は適正価格で販売し利益を生産者さまへ還元します。そうしていくことで結果、生産者さまとのつながりが深まり、困ったときに助け合えるという関係を築いていければと考えています」

今後も今まで通り、生産者との関係を構築していきたいと竹村さん。
「生産者さまとのつながりは強化しつつ、わたしたちは販売する出口があるのが強みなので、販売先にお困りでしたらお手伝いをしますし、一次産業を盛り上げていきたいですね」
そして、品質の良い商品を長野県内で循環させたい、と話します。
「移動距離が長いと品質も落ちてしまうので、できるだけ県内で売っていきたいという生産者さんもいらっしゃいます。今後も生産者さまの声に耳を傾け、想いに沿うかたちで取り組んでいきたいです」
わたしたち消費者は、生産者の想いが詰まった県内産の生花や野菜を選ぶことで、しあわせバイ信州に貢献!生産者のために、長野県の未来のために、そしてなにより長野県産=新鮮なのであれば選ばない理由はないですよね♪
■綿半パートナーズ株式会社
https://watahan.co.jp/holdings/group/partners/