【しあわせバイ信州 Must buy items #18】 地域愛×地域循環に取り組むデジタル地域通貨「Okaya Pay(オカヤペイ)」 岡谷商工会議所@長野県岡谷市

現金を使わず、クレジットカードや電子マネーなどで支払いが行えるキャッシュレス決済。手軽で便利なのはもちろんですが、ここまで多くの市民権を得た理由は決済時にポイントが貯まる、いわゆる“ポイ活”にあるといわれています。最近は、特定の地域で利用するとポイントが貯まる「自治体ポイント」を発行する市町村も増えてきました。

今回はキャッシュレス化&ポイ活を上手に取り入れ、多くの市民に喜ばれているデジタル地域通貨「Okaya Pay(オカヤペイ)」に注目! どのようにして生まれたのか、仕組みやメリットなどを、岡谷商工会議所の清水さんに伺いました。

時代に合わせスタンプカードからICチップカードに

デジタル地域通貨「Okaya Pay」。

「もともとは岡谷市で普及していた『おかぽんカード』が前身です」と清水さん。明治から昭和初期にかけ、日本の製糸業を支えていた岡谷市には、たくさんの製糸工場があり、多くの工女さんがこの地に住み働いていました。

「製糸業の発展とともに、工女さんたちが増え、中心市街地で買い物をするようになり、それがきっかけで商店街が発展していったんです。現在の中心市街地の商店街は製糸家たちがお金を出し合い、道路を整備したと聞いています」と清水さん。

そうして商店街が栄え、1971年に「Okaya Pay」の前々身となる「岡谷スタンプ」が誕生します。昭和50年代には500店以上が加盟していた時期もあったのですが、大型店の出店などで少しずつ衰退。「買い物をして100円ごとにシールをはるスタンプカードだったものを、2003年にICチップの入った「おかぽんカード」に変更しました」。

デジタル技術が発達したのと同時に、スタンプカードからICチップの入った『おかぽんカード』に。一気に利便性があがる変革ではありましたが「新しいシステムが大変そうなのでもうやらないという方も多く、加盟店が増えることはありませんでした」。

キャッシュレス決済ができる「Okaya Pay」が誕生

2019年に国がキャッシュレス化、ポイント還元事業を推進させる取り組みをスタート。「今後どうするかということを考え、2020年、岡谷スタンプ協同組合の設立50周年を迎えるのを機に、デジタル地域通貨へ移行することが決まったんです」。

加盟店での買い物100円につき1ポイントが貯まり、1ポイントは1円として利用できるのは『おかぽんカード』同様。「もともとはキャッシュレス化の推進としてはじまった事業ですが、スタンプを引き継いでいる部分もあるので、現金で買い物した方にもおなじようにポイントを進呈しています」。

「Okaya Pay」では現金をチャージでき、電子マネーとしても利用できるようになりました。またスマホ用のアプリもあるので、カードを持つ必要がなく、スマホで決済することもできるようになりました

利用者にとってお得で便利なこの機能。少しずつ成果はあがり、現在では80店舗が加盟しています。本来ならもっと広まって良いと思う取り組みですが、「取扱店様には手数料をご負担いただくので、そこがネックになっているのかもしれないですよね。でも大手のキャッシュレスサービスに比べたら手数料の負担は少なく、いただいた手数料はキャンペーンに使うなどでお客さんに還元。それをまた加盟店で使っていただけるので、地域のなかで経済を循環させることができる仕組みになっているんです」。

目的は「地域のなかでお金をまわす」こと。

商工会議所が運営しているので、設定や使用方法など、取扱店への手厚いフォローも喜ばれている一因です。

岡谷市内で買い物するときはお得で便利♪

というわけで、実際に「Okaya Pay」を使ってみることにしました。岡谷市民以外の方も使えるのでご安心ください。

まずは取扱店または岡谷商工会議所でカードを発行。スマホを使わない人はこのままカードを使用。スマホで利用する方はアプリをダウンロードし、カード番号を登録。また、電子マネーを使いたい方は、取扱店か商工会議所、またはスマホアプリで電子マネーをチャージします。これで準備完了!買い物の際に「Okaya Pay」を利用するとポイントが貯まるという仕組みです。

利用できる取扱店は「Okaya Pay」の公式サイトで確認できます。有効期限は、電子マネーは最終利用から3年、ポイントは最終利用から1年ですが、利用料金はかからず、個人情報を入力する手間もないので、市外の方も岡谷で買い物するなら登録しておいた方がお得です。

「Okaya Pay」独自のキャンペーンなども行っているので、岡谷商工会議所から発信される情報はマメにチェックしておくことをおすすめします。

「今後は取扱店100店舗を目指していきたいです」と清水さん。まずは、この取り組みの周知を広め「ほかのキャッシュレス決済の会社とは違い、地域で経済を循環できるんだよ、というところが広まっていけばいいですね」。

そして独自で行うだけでなく「ある程度同じ経済圏のなかで使えるよう、ほかの自治体とも協力しあって、事業を拡げることができればいいなと思っています」。

少しでもお得に買い物ができるのは消費者にとってはうれしいところ。買い物するだけで自分の住んでいる地域の経済を循環させ、地域を活性化させる要因になるなんて、まさに“幸せの循環”=しあわせバイ信州の理想形といえそうです。

■Okaya Pay
https://okayapay.jp/

■岡谷商工会議所
http://www.okayacci.or.jp/

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