今回の『Must buy items』はセブン-イレブンの地域限定商品に注目。
日本国内に21,628店舗、長野県内には453店舗(2024年11月末現在)と国内ではダントツの店舗数をほこる大手コンビニチェーンで、日頃お世話になっている方も多いのでは。全国一律、同じ商品を展開しているのかと思いきや、長野県限定の商品もたくさんあることをみなさまご存知でしたか? 今回は株式会社セブン-イレブン・ジャパン 商品本部、甲信越・北陸地区を担当する榎本さんに“しあわせバイ信州”にまつわるお話しを伺いました。
「しあわせバイ信州」のコンセプトとセブン-イレブン理念が合致
2023年で創業50年を迎えたセブン-イレブン。健康、地域、環境、人財と4つのビジョンを掲げています。
「長野県の皆様と一緒に取り組んでいきたいのは『地域』です。地域社会の皆さまとしっかり、ともに歩んでいこうと。この『しあわせバイ信州運動』もその取り組みの一環です」と榎本さん。
地域が抱えるさまざまな社会課題に対し「我々も何か解決のお手伝いができないかと考えています」。
例えば、♯04でご紹介した中野市の伝統野菜「ぼたんこしょう」。
「高齢化や後継者不足。また食文化への意識がかわっていくなかで、伝統野菜を守り伝えていくのは年々難しくなってきている。そんな現状をふまえ、我々になにができるのかと考えたときに、地元産食材を使用した商品を製造し、セブン-イレブンの店頭で販売する。そしてお客さまに商品の意義をお伝えしていくことが我々の使命だと思っています」
それが「地域の皆さまのお役に立ち、生産者さまの応援につながれば」と榎本さん。
元々セブン-イレブンで行っていた「地産地消」の取り組みが「しあわせバイ信州運動」のコンセプトにも合致。
「長野県は夏野菜が豊富にとれるので、例年夏場を中心に独自でPRはしていたんですが、なかなか消費者さまに届いていない部分も大きくて。しあわせバイ信州運動の機会をいただいたことを機に、長野県と一緒に取り組んでいけるということを、PRするために記者会見も行わせていただきました」。
地域の伝統ある食材を守り、継承していくために新たな商品を開発
セブン-イレブンの地域フェア。今年行った「信州うまいもんフェア」のなかで好評だったのが塩尻市発祥の「キムタクチャーハンおむすび」です。漬物の食文化を残していこうとキムチとたくあんが入った「キムタクごはん」を学校給食で提供。食育からスタートした「キムタクごはん」は、一般の方にも受け入れられ今では塩尻のソウルフードとして親しまれています。
ほかにも伝統野菜の丸茄子を使った「信州産丸茄子と豚しゃぶのおろしがけ」や八ヶ岳野辺山高原牛乳を使用した「ミルクムースシュー」、「信州産そば粉のとろろ蕎麦(とろろ増量)」などを期間限定で販売しました。
地域の伝統ある食材を守り、継承していくための商品。開発は地元の方と相談しながら決めることも多いそう。
「新しい味を生み出すことも大事なことだと思うのですが、やはり地域の方がいつも食べている“あの味” を再現し、店頭で販売し、多くの方に召し上がっていただく。これが、我々が一番大事にしていることです」。
可能な限り信州産の原材料を使い、持続させていく
長野県産の原材料を使用した商品のなかに「牛乳寒天」があります。「八ヶ岳野辺山高原牛乳」を使用したデザートで、さっぱりつるりんと食べられるので非常に人気がある商品です。また「クッキークリームの白コッペパン」もクリームに「八ヶ岳野辺山高原牛乳」を使用。ふわふわのコッペパンの中にクリームがたっぷり詰まっており、お子さまから高齢の方まで幅広い層に支持されています。
「牛乳以外ではおそば。信州産のそば粉を使っています。またうどんも信州産小麦を使っています」。
可能な限り、地域の原材料を使用するというのがセブン-イレブンが大切にしていること。
「生産者さんとのつながりも、今年だけで終わりというのではなく、可能な限り継続していくのが我々の考え。きちんと生産者さんたちとコミュニケーションをとって、来年につなげていく。25年度に展開する商品も、ちょうど商品開発の話が進みはじめたところです」。
長野県産の長芋を使った商品。「おそばに入れてとろろぞばにしたり、そのままブツ切りにしておかかをのせたり。また細切りし麺に仕立て、安曇野産のワサビを添えた商品もありました」。
おそばのように長芋をすすっていただくそうで、想像するだけでおいしそうな商品です! 「これは農家さんに教えていただいたアイディアです。商品開発はひとりでできないと思っていますので。多くの皆さまにご協力いただきながら開発させていただいています」。
「どれだけいい商品を作っても、我々だけだと周知するのには限界があるので。『しあわせバイ信州』 のように、いろいろな企業さまが同じ目標に向かって、ときには商品開発をしたり、PRをしていくということがやっぱり大事なのかなと思っています」。
生産者さんの想いを商品に乗せ、それを発信していくことが大切だと榎本さん。
「セブン-イレブンの取り組みは、まだまだ知られていないのが実態だと思いますので、もっと多くの方に知っていただくには、より多くの方と協同し、PRしていくことができればと思っています」。
多くのアイディアや知恵を出し合いながら、よりより商品を作っていく「そんな “チームしあわせバイ信州”として、同じ思いをもった同志で盛り上げていければいいですね」。
■購入場所
県内453店舗のセブン-イレブン(2024年11月末現在)
■株式会社セブン-イレブン・ジャパン
https://www.sej.co.jp/index.html