今回の『Must-buy items』は、長野県長野市にある「株式会社マルイチ産商」のオブセ牛乳シリーズをピックアップ。同社の食品事業部で開発を担当している小野さんと町田さんに開発ストーリーや“しあわせバイ信州”にまつわるお話しを伺ってきました。
県内企業と共同開発した商品を多数ラインアップ
1951年に創業したマルイチ産商は、水産物、畜産物、加工食品など、食品スーパーで販売されているほとんどの商品を扱っている総合食品卸売企業です。水産物の卸売事業からスタートし、畜産物、デイリー商品、冷凍食品、加工食品など、時代の変化に合わせながら幅広い商品を扱うようになりました。そして、十数年前からオリジナル商品の開発にも着手。りんごを食べて育った和牛を使ったレトルトカレー「りんご和牛信州牛カレー」や地元そばメーカーと開発した「信州八割そば」など、数々のロングセラー商品を生み出しています。
そのなかで大ヒットしたのが「オブセ牛乳シリーズ」。
「北信地域に赴任になり、会社の先輩にオブセ牛乳をすすめてもらって飲んでみたらすごくおいしくて。この牛乳を使った商品が作れないかなと考えたのが開発のきっかけです」と小野さん。リンゴやブドウなどを使った商品はたくさんあるなかで、何か新しい着眼点を探しているなかでの運命的な出合い、そしてひらめきでした。
幅広い層に人気の「オブセ牛乳シリーズ」
“牛乳が一番おいしくなる殺菌方法”として、80℃15分間殺菌にこだわって製造しているオブセ牛乳。手間と時間をかけて丁寧に殺菌しているため、オブセ牛乳ならではのコクと甘みを感じられる味わいに仕上がるそう。一度飲むとほかの牛乳じゃ物足りなくなってしまうという人も多く、小野さんもそのうちの一人でした。
「牛乳がすごくおいしいので、このおいしさを損なわずに商品化するにはどうしたらいいのかと悩んでいたときに、あるメーカーの方から、水を使わず牛乳だけで生地を練ってみたらとアドバイスをいただいたんです」。
オブセ牛乳のみを使いしっとり焼き上げた「焼きドーナツ」は、シリーズ第一弾として2013年10月に発売。発売から1年で約40万袋を売り上げる大ヒット商品になりました。
優しい味わいで、子どもから年配の方まで多くの人に支持される「オブセ牛乳シリーズ」。焼きブレッド、ゴーフレット、キャラメル、みるくもちなど、現在は幅広いラインアップがそろっています。
入社2年目の町田さんが個人的に大好きだという商品は「しっとりドーナツ」。
「長野県駒ケ根市にある『北川製菓』様と共同開発した商品です。そのままでもおいしくいただけますが、オーブントースターで少し焼くと外側サクサクで、中はしっとりするのでおすすめです」(町田さん)。
お菓子以外にも注目商品を多数開発
「オブセ牛乳シリーズ」以外にも、たくさんの商品の開発に携わっている小野さんと町田さん。最近、町田さんが手がけた商品のなかで、特に目を引くのが「しあわせ牛乳ケーキ」。
「長野県飯田市にある「お菓子のシアワセドー」様とコラボした商品で、お子さまからご年配の方まで、このお菓子を食べて幸せになってほしいというコンセプトで作りました」と町田さん。
コンセプトもネーミングも、まさに“しあわせバイ信州”にぴったりな商品です。
ほかにも、ドレッシングやカップラーメン、人気であっという間に売り切れてしまった数量限定販売のペヤングカップ焼きそばなど、商品は多岐に渡ります。
「ドレッシングは、味噌を使ったものや安曇野産の茎わさびが入ったものなど、ちょっと珍しい内容になっています。お肉や魚介にも合う商品なので、お肉やお魚売り場でも販売していただきたいと思い、今回リニューアルをしました」(小野さん)
水産や畜産も扱う会社なので、幅広い提案ができるも同社の魅力です。
「今後も地域の特産を生かした商品を開発し長野県の食文化を知ってもらいたいです。それが長野県にある食品卸の使命だと思っています」と小野さん。
そういう意味でも「オブセ牛乳シリーズ」はオブセ牛乳のおいしさを普及するのに大いに役立っている商品です。
「長野県のお菓子っておいしいんだよって、ちょっと自慢になるような。そんな立ち位置にいられたらうれしいですね」
「オブセ牛乳シリーズ」は今後も新商品が販売される予定だそう。県外の方へのちょっとした手土産にもぴったりなので、今から発売が楽しみですね。
■購入場所
県内スーパー、一部道の駅、土産店など
■株式会社マルイチ産商
https://www.maruichi.com/