今回ご紹介する『Must-buy items』は、長野県飯田、下伊那地域にて8店舗展開するスーパー「キラヤ」の地産地消商品。
南信にお住まいの方なら、なじみがあるスーパーだと思いますが、地域外の方にとっては、はじめて名前を聞くという人も多いかもしれません。今回は、ちょっと離れたところに住んでいてもわざわざ行きたくなるごスーパー「キラヤ」に注目。店舗運営部長の赤羽さんにお話をお聞きしてきました。
地元の人に愛される地域ナンバーワンスーパー
長野県飯田市、下伊那地域に8店舗を展開する「株式会社キラヤ」。創業は、なんと1818年(文政元年)。
「創業206年になりますかね。元々、歌舞伎の衣装の販売、貸衣装などをやっていたと聞いています」と赤羽さん。
大鹿歌舞伎、下條歌舞伎など、古くから農村歌舞伎が盛んに行われていた南信州。創業当時は歌舞伎の衣装に関わり、戦前までは川魚の販売などを行っていたそうです。
「先々代、現在の会長が戦争から帰ってきたときに『せっかく助かった命。どうせなら地元に恩返しをしたい』という想いで、スーパーマーケットを開業しました」。それが現在のキラヤのはじまりです。
キラヤのモットーは“お客様に愛され、あてにされる地域一番のオリジナルスーパー”。
「大きいスーパーではないですが、お客様に必要とされる存在でいたいと思っています。飯田下伊那地域の皆さまに、ここまで育ててもらった恩返しというか、何か還元できればという気持ちで営業しています。生産者の方々、お客様のみなさま、そして私たちにとっても良い“三方よし”になれればいいな」と、赤羽さん。
オリジナルブランド豚「純味豚」のおいしさのヒミツ
キラヤが力を入れているのが、オリジナルブランドの開発。中でも地元客からも多くの支持を得ているのが、ブランド豚の「純味豚(じゅんみとん)」。赤身と脂身のバランスがよく豚肉本来の甘味が感じられるのが特徴です。
「こだわりの飼料で育てているので臭みが全然ない。しゃぶしゃぶをしたときなんかによくわかるんですが、湯気に良い香りがのってくるんです」。品質が良いのに値段はお手頃、コスパが非常に良いところも魅力だそう。
「お客様から『味かわったよね』ってご指摘いただいたことがあったんです。生産者さんに聞いてみたら『餌がかわった』とのことで。毎日食べていただいているお客様の舌はごまかせないなと驚いたことがありました」。
地元飲食店のお総菜や半生菓子も人気
オリジナルブランドのほか、地元飲食店が作る惣菜にもファンが多いそう。人気は、天竜峡温泉「龍峡亭」のシュウマイや鯉の契り煮、玉子焼き、イタリア料理店「ソットオーリオ」のローストビーフなど。店舗へ行かなくても人気店の味が気軽に味わえるなんてうれしいですね。
「南信州は半生菓子の製造も盛んなんですよ。大きいところだと「天恵製菓株式会社」の最中が有名ですよね」。
半生菓子とは生菓子と干菓子の間の和菓子。最中以外にも、羊羹、栗きんとん、ぜんざいなども半生菓子に含まれます。古くから和菓子文化が根付いており、全国シェア4割の半生菓子を飯田市で製造。キラヤでも豊富に取りそろえており、多くの人に親しまれています。
野菜や果物をはじめ、肉、豆腐、味噌など、地元でとれた新鮮なものを新鮮なうちに食べてもらいたいという思いで地産地消に力を入れているキラヤ。
「ホウレンソウやトウモロコシなど、鮮度が大切なものは特に味がわかりますよね。一番おいしい時期に新鮮なものをお客様に提供する、それがスーパーマーケットの使命だと思っています」。
気になる今後は?
「オリジナル商品の開発にも力を入れていきたいと思っていますが、それよりなにより、自社の魅力を従業員一人ひとりが理解を深めることが大事だと思っています。今以上に地元のお客様に喜んでいただく。そして愛されるスーパーとなれるよう、地場でしっかり根を張っていきたいですね」。
■購入場所
キラヤ
上飯田店、鼎店、高森店、大島店、伊賀良店、黒田店、竜丘店、ピア店
■株式会社キラヤ
https://www.kiraya-iida.com/