「マウンテンドクター」(制作・カンテレ 7月8日からフジテレビ系列・NBS放送)は、長野県松本市を舞台にした山岳医療ドラマ。プロデューサーの近藤匡氏(カンテレ)は松本市出身で、いつか地元を舞台にしたドラマを作りたいと考えていたそう。その思いが実を結び、念願のドラマ制作にいたりました。
6月中旬のこの日、ドラマ「マウンテンドクター」のロケが行われていた白馬村で、近藤氏にこのドラマにかける熱い思いをお聞きしました。
原点は小学生時代のドラマ体験
近藤匡氏がドラマ制作の原点とするのが、小学生時代にNBSで見たドラマ「白線流し」(フジテレビ系列放送)です。自分の住む松本が物語の舞台になり、学校の友人や先生とドラマの話で盛り上がったことが鮮明に記憶に残っていると話します。
「本当にこの松本が舞台になっていることですごく高揚感を持ち、ずっと印象に残っていました。僕が住んでいた裏の高校と川を舞台に使っていたので、キャストの方たちが出入りしてる様子とか、お芝居している様子が実際にテレビ画面で映っていることにすごく衝撃を受けました。」
近藤氏は、ドラマ制作への思いが芽生えた瞬間を、こう語ってくれました。
そして大学進学で上京し、卒業後の2009年春に関西テレビに入社、ドラマ制作への夢を踏み出したのです。
ドラマ「マウンテンドクター」の描く「山岳医療」の世界
新ドラマ『マウンテンドクター』は、大自然の絶景が広がる山岳の裏で、登山者の遭難、高山病、予期せぬ事故…。山で起こりうる病気やけがを治療する「山岳医療」の課題と未来を描き提示する新しい医療ドラマです。
そんな極限の世界に飛び込むのは、山岳医療に魅せられた若き医師。主人公の宮本歩(杉野遥亮)は、整形外科医として勤務をしていたが、山岳医療に力を入れる信濃総合病院への転勤を機に「山岳診療科」との兼務を命じられます。かつて大好きだった山に、ある想いを抱えて戻ってきた彼は、山岳医療の厳しさに直面します。
一方、国際山岳医の認定を持つ江森岳人(大森南朋)は、医師が安易に山に向かうことに懐疑的。「山での負傷者は、迅速に病院に搬送すべき」という信念を持つ彼は、宮本とぶつかり合いながらも、次第に自身の過去と向き合っていく姿が描かれています。
理想と現実のギャップを感じたドラマ制作
当初、近藤氏は「お医者さんが山で被害にあった患者さんを山に行って救う、単純にかっこいいものを作りたい。」と考えていたといいます。 しかし、実際に台本を作る中で、「山岳医や救助隊、山に関係する方にお話を聞いていったら、そんなに生半可なものじゃない。そんなただただかっこいいものじゃない。」と、理想と現実のギャップを痛感します。
「今も医師が山に行って救命にあたるっていうことが是か非なのかっていうところは、山岳医療界でも大きなテーマになっているとうかがっています。」と近藤氏は語ります。
ドラマは、エンターテインメントであると同時に、山の魅力と厳しさ、そこで活躍する人々の姿を描き、近藤氏は「山のリアル、素晴らしさと恐ろしさ。ドラマの映像を通して皆さんに知っていただけたらと思っています。」と語ります。
地元ロケで実感した「マウンテンドクター」
「マウンテンドクター」の撮影は、松本市や白馬村など県内各所で行われました。
松本駅前のシーンでは、キャストやスタッフが集まり、賑やかな雰囲気に。近藤氏は、「駅のホームから『まつもとー、まつもと』っていう駅のアナウンスが流れたりすると、地元でこういうキャスト、こういうスタッフみんなでドラマを作っているんだなって感じられたので、すごく嬉しかったです。」と念願叶って地元ロケができた喜びを語ります。
美しい信州の景色をドラマに
「松本ってどこを切り取っても、360度見渡しても、山が背景になるんです。映像の美しさ、そこで紡がれる物語を楽しみにしていただきたい。」と、美しい信州の景色が織りなすドラマの世界観に自信をのぞかせます。
「マウンテンドクター」は、信州の大自然を舞台に、山岳医療に肉薄するドラマです。美しい景色と、医療の厳しいリアル。この夏、唯一無二の医療ドラマが幕を開けます。
白馬村でのロケの様子
【タイトル】『マウンテンドクター』
【放送枠】2024 年7月8日(月)スタート(初回15分拡大)毎週月曜よる10時(長野放送8ch)
【出演】
杉野遥亮 岡崎紗絵 宮澤エマ 向井康⼆ 近藤公園 トラウデン直美 ⼯藤美桜 吉⽥健悟
⼋嶋智⼈ 遠⼭俊也 平⼭祐介 ・ ⽯野真⼦ ⽯丸謙⼆郎 檀れい ⼤森南朋
【脚本】高橋悠也
【演出】国本雅広、高橋貴司、保坂昭一
【音楽】林ゆうき
【主題歌】Official髭男dism 「Sharon」 (IRORI Records/PONY CANYON INC.)
【プロデューサー】近藤匡(カンテレ)、大城哲也(ジニアス)
【制作協力】ジニアス
【制作著作】カンテレ