継承された技術を生かし両親を支えるパン職人に
上田市街地から車で約30分ほど走らせた県道12号沿い、右手に見えてくる一軒のパン屋「MasAoki Bakery(マサオキベーカリー)」。店主の徳永将生さんがご両親と一緒に2024年にオープンさせたお店です。
「マサオキベーカリー」の前身は、35年近く横浜で愛されてきた「ベッカライ徳多朗」。行列のできる人気店で、一時期は3店舗を経営するほど目まぐるしい日々を送っていたベーカリーです。

3人兄弟の将生さん。小さいころから働き者の両親の背中を見て育ち、大学卒業を機に自らパン職人の道へ。
横浜の店(ベッカライ徳多朗)はとにかく忙しく、「店舗数を減らすなど、少しずつ業務を縮小していたんですが、だんだん年をとってきて、体力的にも大変そうな両親の姿を見るたびに、もう少し規模が小さいお店を一緒にできたらいいなと思っていたんです」。
そんなときに出会ったのが、小布施のリンゴ農家。「以前から、リンゴを送っていただいており、あるとき農家さんから収穫に来ないかと誘っていただいて。母と一緒に体験させていただいたんです」。
はじめて訪れた長野県。赤く熟したリンゴがなる壮大な景色、もぎたてのリンゴのおいしさに大きく感動し「移住をするなら長野県」と、そのときに決めたといいます。
「食材がおいしいところがいいというのが母の希望だったので、野菜や果物など食材が豊富な長野県はベストな選択でした」。横浜のお店を営業しながら、休みの日には長野県内各地を探しまわりますが、なかなか良い物件にめぐり合えなかったそう。

徳永さん親子
そんな時、「2021年のクリスマス前に父がこの場所を見つけてきたんです」。上田市街地からも近い県道沿い、駐車場も広くとれる理想的な立地。「自然豊かでいい場所だなと。青木村のことは全然知りませんでしたが不安はまったくなかったです」。
約1年ほどかけ準備をして、2024年に「マサオキベーカリー」を開店。

「マサオキベーカリー」は、朝7時と11時、開店時間は1日2回。
「朝イチに来ていただけるお客さまも多いので、その時間で用意していたパンがなくなってしまうことも。なので、一旦閉めてまたパンを焼き、11時に再度開けているんです」。
場所は変わっても人気は変わらず。パンの味はもちろんだが、お客さんのことを想う気持ちもずっと変わらず温かいから絶えず人が訪れるのでしょう。

移転前から大人気の「パリ風クロワッサン」220円。

パンはコーヒー(380円)と一緒にイートインも可能。

店頭にはデニッシュや食事パンなど約10種類ほどが並びます。

店名「マサオキベーカリー」は、将生さんと青木村をかけ、お父さんが名付けました。


※この記事は長野Komachi2025年2月号「噂の新店」特集に掲載された記事を再編集したものです。
(マサオキベーカリー)
●住所
長野県小県郡青木村奈良本380-5
●営業時間
7:00~10:00、11:00~14:00
●定休日
水・木・金曜
●席数
9席、テラス席あり
●駐車場
17台
https://www.instagram.com/masaoki_bakery/

