【愛され食堂】阿智村で半世紀以上愛される『大坂屋食堂』名物カツ丼の秘密とは？＠下伊那郡阿智村

南信州の中でも南側、愛知県と岐阜県の県境近い阿智村にある『大坂屋』。

創業以来、半世紀以上にわたって地元の人々に愛され続けてきた名物食堂です。その名前の由来は、店の目の前にある大きな坂から来ているそうです。今回は、この歴史ある食堂で、絶品カツ丼とラーメンを堪能してきました。

教科書に載せたい！昔ながらの絶品カツ丼

大坂屋の看板メニューと言えば、やはりカツ丼です。出てきた瞬間、その見た目に思わず感嘆の声が漏れます。まるで教科書に載っているかのような、昔ながらの完璧なカツ丼の姿がそこにありました。

このカツ丼、実は先代の味を引き継ぎつつ、現在の店主が少しずつアレンジを加えて完成させたそうです。醤油ベースのタレには、なんと10種類ほどの調味料や海産物のダシが入っているとか。

そして、驚きの具材が一つ。なんとタケノコが乗っているのです！「うちに竹山が2箇所あってね」と店主。やわらかくほっくりと煮たタケノコをトッピングします。

実際に口にすると、その美味しさに驚かされます。とろとろの卵、大きなカツ、そして熱々の出汁が絶妙なハーモニーを奏でています。

カツの衣にはちょっと甘めの出汁がしっかりと染み込んでおり、卵のコーティングが旨味を存分に引き立てています。そして、意外性のある竹の子がほっくりとした食感で、アクセントになっています。

やわらかいカツに卵がとろりと絡み、ごはんに合います。
「ちょっと濃い味ですね」とお客さんが言うこともあるそうですが、濃い味だからこそ、ご飯にもしっかりと味が染み渡り、最後の一粒まで美味しく頂けるのです。これぞ大坂屋の味！

昔ながらの味を守り続ける決意

大坂屋の魅力は、カツ丼だけではありません。プリプリの麺が自慢のラーメンも、根強い人気を誇ります。醤油の香ばしさと深みのある味わいが特徴で、「あっさりした昔の味だ」とお客さんに言われることもあるそうです。

「大坂屋のこの味を引き継ぎたい」という人は多いそうですが、現在の店主は「今度は私が働くうちはやらない」と、まだまだ自身が頑張る決意を語ってくれました。

長年愛され続けてきた大阪屋の味。その伝統を守りつつ、少しずつ進化を続ける姿勢こそが、半世紀以上愛され続けてきた秘訣なのかもしれません。皆さんもぜひ、歴史と愛情が詰まった大坂屋の料理を味わいに、阿智村を訪れてみてはいかがでしょうか。