浅間連峰の山容と田園風景を背に、東御市にひっそりと佇むベーカリー「パンと日用品の店 わざわざ」。店名には「わざわざ来てくださってありがとう」という思いが込められています。パンは2種類の食事パンが基本。そこに焼菓子や季節限定のパンがならぶこともあります。
御牧原の風景に惹かれた店主が、2009年に田園の真ん中に小さなパン屋。女性ひとりでも薪火でパンを焼けるようロケットストーブ式の石窯を開発し、パン作りを開始しました。年々、へんぴな場所にもかかわらず店名通り「わざわざ」足を運ぶ人の絶えない人気店になっていきました。
しかし、「自分の焼いたパンはお客さまの健康を支えているだろうか」と自問自答した店主は、人気のあった調理パンや菓子パンをあえてメニューから外し、20数種類あったパンの中から主力商品を角食とカンパーニュに絞りました。パンの種類を減らした当初は客足が減ったそうですが、食事パンの評判はじわじわと広まっていきました。
空気や風の変化に歩調を合わせたパン作り
長時間低温発酵で作り上げる北海道産小麦の角食パンは、しっとりした食感とやさしい甘みを楽しめます。カンパーニュは、全粒粉とライ麦を自家製小麦酵母で長時間発酵し、280度の薪窯で焼き上げる田舎パン。味の要となる酵母は、窯の輻射熱やそよぐ風など自然の力を借りながら育てているそう。
「気象データと自分の感覚を頼りに発酵具合を調整しています。材料がシンプルなだけに、うまく作るのは難しい」と製造担当者。作り手の真摯な姿勢が垣間見えるカンパーニュは、「毎日食べても飽きない」と常連客に愛されています。
「みまきカンパーニュ」ホール1,100円、ハーフ550円、1/4サイズ275円
日が経つごとに酸味が出て、味わいが変化するんだとか!
「角食」1斤450円、1.5斤560円
「ふつうのクッキー」1包み400円
ざくざくぼりぼり食感がくせになる「季節のビスコッティ」(1枚220円)。
スコーン各種。全粒(1個170円)、紅茶(1個190円)など。
季節ごとにドライフルーツやナッツの種類が変わる「季節のカンパーニュ」。
「焼きたてをご用意してお待ちしています。」とスタッフの岡田 皐さん。
車で7分程の立地にあるコンビニ兼直売所の「わざマート」や、10分程の場所にあり、3,000冊の本と喫茶、アート作品を愉しめる「問tou」など系列店にも足を運んでみて。
(こちらの記事は、長野Komachi2023年10月号“信州パンガイド2023”に掲載されたものです。最新情報をご確認の上、ご利用ください)
●住所
長野県東御市御牧原2887-1
●電話番号
0268-67-3135
●営業時間
9時30分~16時
●定休日
月~水曜
●駐車場
10台
●公式HP
https://waza2.com/