長野県内の障がい者が生み出した作品を展示する「ザワメキアート展」が始まりました。今年も心がざわめく作品が勢ぞろいです。
色鮮やかな作品。よく見ると、新聞や段ボールがー。
こちらは長い織り物。毛糸の束が複雑に織り込まれています。
来場者:
「色彩とか豊かで、本当に素晴らしい作品」
「作っている楽しさが伝わってくる。本人たちの中から、まっすぐに出てきた表現かなと」
県立美術館で始まった「ザワメキアート展」。障がいのある人々が持つ芸術性・創造性を多くの人に触れてもらおうと2016年から開催されています。
オープニングセレモニーでは入選した11人が表彰されました。
今年のテーマは、「ルーツ・オブ・アート」。
キュレーター(考古学者)・堤隆さん:
「表現することの根源みたいなものを作品の中に見てとろうと」
上田市の大久保文子さん(49)。長い織り物作品を幾つも作りました。
上田市・大久保文子さん:
「はたおりちゃん、作った。好きな色、考えてやった」
以前、通っていた事業所で機織りを習い、今は自由に創作。毛糸の束を織り込むのは大久保さんのアイデアです。
支援員:
「『こまきちゃん』(毛糸の束)作るの上手なんだよね。それを中に入れ込んで、自分で作っているね」
上田市・大久保文子さん:
「(どうでしたか、作るのは?)楽しい。はたおりちゃん、がんばっている」
ちぎった折り紙や段ボールをキャンバスに貼り付けた作品。作者は立科町の宮崎義治さん(54)です。
支援員:
「入所時から施設に慣れず、落ち着かない様子で、掲示物を丸めてちぎって飛ばすと」
掲示物を破く行動に当初は職員も戸惑いましたが…。
支援員:
「せっかく破いた紙、もったいないから、何か人の役に立つものに変えられないかと」
「キャンバスに貼り付けては」と提案したところ、アートな仕上がりに。
支援員:
「これ、宮崎さんが作ったの、すごいきれいで、すてきだねと。みんなから認められるようになったのが、大変な変化」
半球の上に突起物。一つ一つ、異なります。
立科町・斉藤匡広さん:
「お相撲をイメージして作りました。これは十両として…これが貴景勝」
全部、力士の乳房です。作者は立科町の斉藤匡広さん(46)。
相撲観戦が好きな斉藤さん。
陶芸で茶碗を作っていたところ、ひらめいたということです。
立科町・斉藤匡広さん:
「お相撲も楽しんでいただいて、こっちの展示も楽しんでいただければ、うれしいと思います」
ピュアでストレートな作品の数々。県立美術館で25日まで展示されています。