上田市立美術館で「和紙がおりなす日本の美 HAIBARA Art&Design -暁斎・夢二・巴水ら 絵師たちと作り上げた世界-」が始まりました。(2026年9月19日(土)~12月6日(日))
会場には、東京・日本橋の和紙舗「榛原(はいばら)」が所蔵する約350点を展示。江戸から昭和初期にかけて作られた千代紙や団扇、便箋、絵封筒、肉筆画などを見ることができます。

まず驚いたのがデザインの新しさ。
100年以上前のものが多いのですが、古いものを見ている感じがしません。
画角の取り方、色づかい、構図、余白の使い方。今の広告やパッケージ、グラフィックに使われていても違和感がないものがたくさんあります。
花や鳥などを細かく描いたものもあれば、大胆に余白を取ったもの、柄を大きく配置したものも。
今の私たちが「いいデザイン」と感じるものが、この時代にすでにあったということに気づかされます。


創業220年の榛原が所蔵する約350点
榛原は1806年、東京・日本橋で創業。今年で220年を迎えます。


歴代の当主は、その時代の絵師たちと交流し、彼らの絵や図案を使った千代紙、団扇、便箋、絵封筒などを作ってきました。
今回展示されているのは、榛原が長い歴史の中で所蔵してきたコレクションです。

河鍋暁斎、竹久夢二、川瀬巴水など、人気作家の作品が並びます。
実物から感じる、肉筆の強さ
印象的だったのは、肉筆が放つ力強さです。
近くで見ると、筆の勢いや線の強弱がよく分かります。力強い線がある一方で、驚くほど細かな描写もある。
描いた人の手の動きまで想像できるような、肉筆ならではの体温があります。


絵師たちと仕事をしてきた榛原
展示を見ていくと、作家の技術やセンスだけでなく、彼らに活躍の場を与えた榛原の大きな功績を感じます。
河鍋暁斎、竹久夢二、川瀬巴水など、感受性の強い作家たちがいた。
榛原は彼らと交流し、彼らの作品を千代紙や団扇、便箋などにして世に送り出してきました。
その関係が長きにわたって続いてきたこと。
今なお、その作品に人々が魅了されていること。
今回の展示会を見ると、榛原が作家たちの能力を引き出し、良質な作品を生み出してきた歴史がよく分かります。


今の時代だからこそ、新しさを感じさせる作品たち
今はAI技術の進化により、画像やデザインを短時間で作ることができます。私たちが目にするビジュアルの量も一気に増えました。
そんな今、江戸から昭和初期の作品を実物で見る。
すると、手で描かれた線、細かな描写、色の選び方、洗練された構図が、より強く印象に残ります。
当時の作家たちが作ったものが、今見ても新しく、かっこいい。
どんな色を合わせるのか。どこを切り取るのか。どれくらい余白を残すのか。
約350点を見ていると、過去から学ぶことはたくさんあるのだと痛感します。


三鷹、三重、石川を経て上田へ
本展は2023年に東京・三鷹で開催され、その後、三重、石川を巡回。今回、上田市立美術館で開催されていますが、今後も全国での巡回が予定されているそうです。



展示を見たあと、ミュージアムショップで榛原の千代紙や便箋、ぽち袋、扇子などを購入できます。また、サントミューゼ内のロジェカフェでは、展覧会とのコラボレーションデザート「淡雪短冊」も提供されていますので、ぜひお立ち寄りください。上田会場では、12月6日(日)まで開催中です。
開催概要
和紙がおりなす日本の美 HAIBARA Art&Design
-暁斎・夢二・巴水ら 絵師たちと作り上げた世界-
会期:2026年9月19日(土)~12月6日(日)
会場:サントミューゼ 上田市立美術館 2階企画展示室
開館時間:9:00~17:00(最終入場16:30)
休館日:火曜日、9月24日(木)、11月4日(水)
※9月22日(火)、23日(水)、11月3日(火)は開館
HP:https://www.nbs-tv.co.jp/event/single.php?id=286