なぜ今、出店?長野に「ニラせんべい」専門店 “伝統のおこびれ=おやつ” 若者にも懐かしい味を

特集は北信地域を中心に食べられてきた「ニラせんべい」です。NBSのスタッフの中にもよく食べたという声が多いです。その「ニラせんべい」のテイクアウト専門店が長野市にオープン。なぜ今、「ニラせんべい」?出店に込められた思いなどを取材しました。

食欲をそそる匂い

フライパンで焼くとたちまち、食欲をそそる匂いが立ちこめます。懐かしの「ニラせんべい」です。

ここは8月4日、長野市広田にオープンした「食の森ひつじ」。珍しい「ニラせんべい」のテイクアウト専門店です。
(1枚140円)

30代女性(長野市内):
「懐かしい味がする、おばあちゃんの」

出店したのは住宅リフォームや内装工事を手掛けるミヤザワCA。開店から3週間余り、出だしは上々です。

ミヤザワCA:宮沢誠一社長(59):
「(多い時には)ニラせんべいが五百何十枚売れた。予想の他、皆さんに来ていただいてびっくりしている状態」

田舎くさいもので何かを

新規事業のきっかけは、社員の交流を深めるために行っている「ランチミーティング」での何気ない会話でした。

ミヤザワCA・宮沢誠一社長:
「(社員に)料理の上手な女性がいて、その人が毎月、社員全員にランチを作ってくれた。みんなで食べているうちに『仕事にできるよね』と話が始まって、何かやるんだったらおしゃれなデザートは似合わないので、田舎くさいもので何かないかなと思って」

料理を振舞っていたのは取締役の堀内清子さん。「ならば」とみんなに提案しました。

ミヤザワCA・堀内清子取締役:
「ニラせんべいなら、いろんなものを入れて気軽に食べられるのではと思って、郷土食として野菜を使って若い人に知ってもらいたいなと」

伝統の「おこびれ=おやつ」

おやきと同様に信州の「粉もの文化」を象徴する「ニラせんべい」。北信地域を中心に農作業の合間などに食べられてきた、伝統の「おこびれ=おやつ」です。

社長もー。

ミヤザワCA・宮沢誠一社長:
「学校帰りに家へ帰ると台所の机の上にラップに包まれたお皿にニラせんべいが置いてあって、それをむさぼり食ってまた遊びに行くのをずっと経験していて、若い人たちに知ってもらえたらいいなという思いで、ニラせんべいを始めた」

2年前から準備を始め、本社二階を厨房に改装。専属スタッフを雇いました。
野菜、小麦粉、みそなど材料はほぼ長野県産です。

外はカリッ、中はモチッ

作り方は至ってシンプル。

小麦粉、みそ、砂糖、そして刻んだニラを混ぜて型に流し込んだら、一度、スチームコンべクションオーブンで焼き上げます。

味つけはー。

食の森 ひつじ・堀内京介店長:
「やさしい味で、しょっぱくもなく甘すぎず食べやすい、何枚でもいけるニラせんべいに仕上がっています」

焼きたてを提供しようと、注文を受けてから店のフライパンで改めて焼き目をつけて客に渡します。
これで外はカリッ、中はモチッとした状態に。

ナス、ズッキーニもせんべいに

昼食などに購入する人が多く、すでにリピーターもいます。

50代女性(市内):
「自分で作ればいいが、なかなか作らないので(店が)できると聞いてうれしくて懐かしいなと。昔と比べてちょっとあっさりとしてるというか食べやすいので、いくらでも食べられる」

買ってから、近くのショールームのベンチで食べることもできます。

30代女性(市内):
「甘めです、おいしい。おばあちゃんに会いたくなったな」

店ではニラ以外にもナスやニンジンなど9種類の「せんべい」を販売中。

こちらの男性が食べているのは「ズッキーニせんべい」。

ズッキーニせんべいを購入・50代男性(山ノ内町出身):
「おいしい、もちもちしている。こういうふうに販売するとは思いもよらなかった。ちょろっと来て寄れて簡単に食べられるのはすごくいいかも」

地元の野菜を知って 地産地消目指し

「せんべい」に使う野菜の多くは堀内清子さんが、松代町にある義理の両親の畑で収穫しています。

ミヤザワCA・堀内清子取締役:
「地域の皆さんに地元の野菜を知ってほしいというのがありまして、できるだけ地産地消を目指してやっていくのが希望」

義理の母・清江さん(82):
「(ニラせんべい)この前いただきました。よくできてるなと思ってさ。野菜をいろいろ使っていただいて、みんな考えてやってくれてうれしいな」

野菜はせんべいに使う他、店で格安で販売。(1袋108円)いずれは他の農家からも仕入れたい考えです。

今後では東京でも

素朴で懐かしい味わい。

宮沢社長は「都会でも受け入れられるのでは」と「にらせんべい」に可能性を感じています。

ミヤザワCA・宮沢誠一社長:
「まずは地元からゆっくりゆっくり広めて、長野県の皆さんに知ってもらいたい。最終的には長野県出身の方が東京にいれば、東京で食べてもらえるような冷凍品をアンテナショップみたいな所に卸すことができればいいな」

~ARURA編集部からひとこと~
ニラせんべいのお店、あればいいのにって前から思ってました!ぜひ行ってみたい!!

食の森ひつじ
住所:長野市広田11番地
電話番号:090-4259-2175
営業時間 : 10:00~16:00
定休日 : 水曜日
https://hitsuji-ca.jp/

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